映画感想 : 『突入せよ!「あさま山荘」事件』

 

『突入せよ!「あさま山荘」事件』 監督 原田眞人 あさま山荘事件製作委員会(2002年)

人質を必ず生きて救出すること…。1972年2月19日。連合赤軍5人が、「あさま山荘」にひとりの女性を人質に立てこもった。それが長野県警、警視庁の猛者たちが繰り広げた、10日間にもおよぶ史上最大かつてない激烈な攻防の始まりだった。零下15度の酷寒の中、動員された警察官述べ15万人、テレビ中継の視聴率は史上最高89.7%を記録。そして、集まった男たちに与えられた使命はただ一つ。「人質を必ず生きて救出すること」

ドラマの焦点がない映画です。

視点は警察側に定められてはいるものの、ドラマの焦点を定めることなく、ただただあさま山荘事件の推移を追った映画。焦点がないから、ストリーの展開の起伏がない。話の盛り上がりがありません。事件の現場の臨場感も伝わってきません。また、本作からは殉職者さえ出した事件の重みも感じることもありませんでした。

 

もしかすると、本作を通して繰り返される警視庁と長野県警の指揮権争いのグダグダっぷりが、本作のテーマなのでしょうか。だとしたらもっとその点に焦点を絞って作って欲しかった。本作では登場人物が多いのもあって一人一人の描写に厚みがなありません。なのでもっと登場人物を少なくして、組織対組織のメンツ争いの裏側で、組織の論理と個人的使命感の板挟みに葛藤する登場人物をドラマの軸にするとかすればよかったのでは...

 

あさま山荘事件は日本中を釘付けにした戦後日本の一大事件です。映画の元ネタとしては申し分ないはず。 なのに、なのに・・・ あさま山荘事件の無駄遣いとしか思えません。

 

一言で言って、何をしたいのかわからない映画です。劇的な事件をネタに重量級の役者さんを揃えて莫大な予算をかけて映画を作ればいい作品ができる、なんてことはない。よくない映画のお手本のような作品。