読書感想 : 『マンガでわかる元素118 元素の発見者から意外な歴史、最先端の応用テクノロジーまで』

 

『マンガでわかる元素118 元素の発見者から意外な歴史、最先端の応用テクノロジーまで』 斎藤 勝裕 SBクリエイティブ (2011/12/15)

本書は元素豆知識の羅列です。

各元素についてそれぞれ2ページが使われ説明されます。1ページが文章による説明、もう1ページがマンガによる説明です。各元素の性質、発見のエピソード、それに加え、原子量、密度、融点、沸点、存在度、おもな同位体、おもな化合物といった各元素の個別データが、2ページの紙幅の中にコンパクトにまとめられています。

 

元素豆知識を蓄えたい元素好きの人には、本書はお勧めできる一冊です。

 

とはいっても、本書は知識の羅列といった感は否めません。

 

さて、私は受験化学を教えさせていただいています。そのせいか、こうした本を読むときは豆知識を仕入れるよりは、これまで思いもつかなかった新しい視点から化学を照射してもらい、化学についての理解を深めさせてもらいたいと、私は姑息にも考えてしまいます。 

 

本書のような知識の羅列ではその点は望めません。一つ一つの知識がぶつ切りに提示されるだけで、何らかの一つの視点からの全体的連関を与えてくれません。知識の羅列ではなく、何らかの文脈の元に置かれた説明が欲しい。

 

先日『光合成とはなにかー生命システムを支える力』という本を読みました。光合成がテーマの本です。その本を読んで学んだことなのですが、光合成の中身は、酸化還元反応のようです。酸化還元反応は受験化学の主要テーマです。光合成という視点からなされる酸化還元反応の説明は、私にとって新鮮でとても興味深く、結果として、酸化還元反応を含めた化学についての理解を深めさせてもらえました。

 

本書にもこうしたことを期待していたのですが、その期待は裏切られました。本書のタイトルからしてそれを期待するのがそもそもの誤りであり、無い物ねだりと言われればそれまでなのですが・・・

 

歳をとると記憶力が落ちる。痛感しています。私の場合、もともと文脈のない知識は頭に入りずらかったのですが、ここにきてその程度が増しています。本書で得た知識の大半は、おそらく1週間後には、いや、3日以内には忘れてしまっていると思います。