読書感想 : 『史上最強の哲学入門』『史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち』『哲学的な何か、あと科学とか』

 

『史上最強の哲学入門』 飲茶 河出書房新社 (2015/11/5)

 

『史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち』 飲茶 河出書房新社 (2016/10/5)

 

『哲学的な何か、あと科学とか』 飲茶 二見書房 (2006/11/30)

史上最強におもしろい哲学入門書。

3冊とも同じ著者による哲学入門書。著者は大学に属さず在野の哲学者として文筆活動を行なっているかたのようです。

  

さて、哲学関係の書籍には、どういうわけか”入門”の名のつくものが多いと思います。そう思って今アマゾンで”哲学”と入力して見たら、”哲学 入門”が検索ワードとして一番上に出てきました。クリックしてみると、入門書があるわあるわ。哲学は入門書のメッカですw

 

そんな哲学入門書が溢れかえっている中、”史上最強”を謳う哲学入門書を見つけてしまった。そこで、どこらへんが史上最強のなのだろうと思い、『史上最強の哲学入門』を手にとってみました。

 

『史上最強の哲学入門』は西洋哲学史がテーマ。著者は西洋哲学史を、古代ギリシアから現代までに登場した哲学者たちの最強頭脳、最強思想を決める闘いの歴史と捉えます。各哲学者を単に時系列的に整理・解説するありがちな入門書とは違い、著者は、各哲学者の間での対決要素(後の時代の哲学者が乗り越えようとした点)をはっきりとさせながら、西洋哲学史全体を進化を続ける一つの生き物のように描いていきます。哲学者の闘いが積み重なって西洋哲学史が作り上げられてきたのだと実感させられました。哲学書にはつきものの専門用語もほとんど出てきません。著者は、難しいはずの哲学の内容を自分の言葉に噛み砕いて説明してくれています。とてもわかりやすくて面白い。内容がスイスイ頭に入ってきました。

 

史上最強の意味は、史上最強の面白さ!ということだと私は思いました。

 

二匹目のドジョウということで、また楽しませてもらおうと思い『史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち』も読んでみました。本書は『史上最強の哲学入門』の東洋哲学バージョンです。期待通りの面白さでした。というより期待以上の面白さ。私にとっては1冊目よりもこちらのほうが面白かった。

 

大学受験科目で「倫理」というのがあります。選択する生徒さんはほとんどいないのですが、まれに「倫理」を指導させていだたくことがあります。「倫理」には東洋哲学も含まれます。私は東洋哲学の受験知識を教える際に、これまで東洋の哲学者がどうしてそうしたことをいうのかよくわからずに、ただただ受験のための知識としてそれらの説明をしていました。

 

本書を読んでそんなモヤモヤ感がなくなりました。東洋の哲学者がいっていることが初めて腑に落ちました。

 

まず著者は、西洋哲学と東洋哲学の根本的な違いをわかりやすく説明してくれます。私はこれまで、東洋哲学を西洋哲学の色眼鏡で見ようとする愚を犯していたことに気づかされました。これだけでも東洋哲学の理解を深めてもらえたと思います。

 

それだけはありません。著者は、前作同様に自分の言葉に噛み砕きながら、東洋哲学が目指すべき”悟り”の境地を丁寧に説明してくれます。私は”悟り”を開いた気分になりましたwww 悟りってこういうことだったのかと腑に落ち始めてからの、本書を読んでいる時のワクワク感は忘れられません。

 

東洋哲学の目指す”悟り”がどういうものかがわかってくると、言葉だけで理解していた「倫理」に出てくる東洋哲学の知識が、全くの別物に思えてきます。重みを持って肉薄してくる感じ。今ならきっと、そうした知識についてこれまでよりも厚みのある説明ができるはずです。

 

三匹目のドジョウということで、続いて『哲学的な何か、あと科学とか』も読んでみました。こちらは哲学史ではなく、哲学のいくつかのトピックについての解説本です。前の2冊に比べインパクトには欠けますが、わかりやすくまとまっていてこの本もとても勉強になりました。

 

3冊ともおもしろかったのですが、あえて順位をつけるとしたら、

 

一位 『史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち』

二位 『史上最強の哲学入門』

三位 『哲学的な何か、あと科学とか』

 

となるでしょうか。

 

3冊とも哲学入門としてオススメです。それと手っ取り早く”悟り”の擬似体験をしてみたいという方にもオススメですw