読書感想 : 『1日30分練習でマラソンサブ3.5を達成する方法: 忙しいサラリーマンでもできる! 』

 

 『1日30分練習でマラソンサブ3.5を達成する方法: 忙しいサラリーマンでもできる! 』 かん吉 (第三版発行 2015年10月10日)

歩く大会、マラソン大会。スピード練習の有無が結果を左右します。

私は歩くのが好きです。走ることもあります。頻繁にではありませんが、歩く大会やマラソン大会に参加しています。

 

大会に出れば結果が出ます。満足いくときもあれば、そうでないときもあります。後者であることがほとんどですがw、とにかく結果が出ます。

 

良い結果、悪い結果。そうした違いが出る原因について、以前から薄々感ずいてたことがありました。それが5月に参加した”りんりんロードウォーク大会”の結果を受けて、違いの原因について確信をもてるようになりました。

 

それは練習方法です。スピード練習の有無が結果を左右します。

練習期間が短いときのほうが結果がよかった。

私の場合これまで、忙しい、あるいは練習するやる気が湧いてこず本格的な練習開始を先延ばししてしまうなどの理由で、大会前に練習期間がとれないときのほうが結果がよかった。つまり、たっぷり本格練習をする時間があるときのほうが結果がよくなかったのです。

 

例えば、5月の”りんりんロードウォーク大会”のための練習では、まとまった練習時間がとれたのは1日(こちら)だけ。1日トータルではそれなりに練習できたのが2日間(これこれ)。それ以外はごくごく短時間の練習を短期間繰り返しただけでした。それなのに私にとっては満足のいく結果を得ることができました。

 

逆ではないかと思われるかもしれませんが、そうではありません。私もどうして練習期間が短いときのほうがタイムがよくなるのか以前は不思議でした。

 

振り返ってみると、練習期間に応じて私は練習方法を変えていたのです。

LSDよりもスピード練習が効果的です。

練習期間がたっぷりとれるとき、私は基本的にはLSDを中心にしていました。LSDとは"long slow distance"の略で、ゆっくりとでいいのでとにかく長い距離を走る(もしくは歩く)ことをいいます。

 

LSDをすると距離に対する不安がなくなります。それと同時にスタミナの不安も払拭できます。しっかりLSDをした後の大会では、私は自信をもってスタートラインにたつことができていました。私はこの練習法がもっともよいと考えていたのです。

 

それに対し、練習期間がないときはスピード練習を中心にしていました。というのも、限られた期間で練習をするには、スピードを上げて身体にたっぷりと負荷をかけてやるのがよいだろうと考えたからです。

 

具体的には、ランニングなら、LSDではキロ5分30秒〜6分ペースのところをスピード練習ではキロ4分〜4分30秒ペースにあげます。ウォーキングの場合は、LSDではキロ9分〜9分30秒ペースのところをスピード練習ではキロ7分〜7分30秒ペースにあげます。ペースに大きな差があるのがお分かりいただけると思います。スピード練習のときのペースは私にとってはかなりきついペースです。足が動くときはそれ以上のペースで走ったり歩き続けるようにします。身体がきついペースを維持するのです。

 

スピード練習は短時間集中でやるので、走る距離、歩く距離はわずかです。どうしても距離とスタミナに対する不安が残ります。そのため、私はスピード練習を緊急避難的な練習法と位置付けていました。

 

満足いく結果がでたのは緊急避難と考えていたスピード練習を重ねたときでした。

 

距離とスタミナ重視の練習をよしとしていた私の考えは間違っていたようです。スピード重視の練習のほうが成果が上がり、その上時間もかからないので効率的だったのです。

これからはスピード練習!

私にとっては、LSDよりもスピード練習のほうがきつい。できればやりたくない。それもあって、”酸っぱいブドウ”の話のように、私はLSDがもっともよい練習法だと自分に言い聞かせて、できるかぎりスピード練習はしないようにしていたのかもしれません。

 

きつい練習ならきっと成果にもつながるはず、というのは合理的ではありません。また、個人的な経験を安易に普遍化すべきでもありません。ですが、これまでの経験から、私は結果を出すにはスピード練習が不可欠と考えます。確信をもってそう言えるようになったいま、今後の練習はスピード練習を基本にやっていこうと思っています。

本書もスピード練習を重視します。

前置きが長くなりました。

 

私は本書を、以前にKindleセールに出ていた際に買っておいてはみたものの、冒頭部分だけを読んで読むのをやめてしまっていました。

 

それが今回、マラソンの練習はスピード練習で十分ということが本書の冒頭で書かれていたのを思い出して、改めて取り出して読んでみました。

 

サブ3.5(フルマラソンを3時間半以内に走ること)を達成し、いまではさらにタイムを上げている著者は、自身の経験を踏まえてつぎのように言います。

 

フルマラソンのタイムを向上するには、スピード能力の向上が不可欠なのです。スピードを徹底的に鍛えて、レースでは7割くらいのスピードで余力を持って走れるようになれば、失速せずに最後まで走り抜けられます。 LSDといったゆっくり長時間走り続ける力を高めるスタミナ系のトレーニングも、効果的だと言われています。しかし、仕事や家事、子育て、勉強と、みんな忙しいです。長時間走るトレーニングはスケジュール的に厳しいです。 短時間で行えるスピードアップ練習に集中して、スタミナは、レース戦略や補給でカバーする作戦を、本書では提案します。

 

フルマラソンを速く走るには、スピード練習が有効なのです。何十kmとか長距離を走る必要はありません。

 

読んでいてうれしくなってきました。確信が持てたとはいえ、スピード練習が効果的というのは私の個人的体験に基づく個人的な考えに過ぎないと思っていましたが、そうではありませんでした。ここにも同じように考えている人がいたのです。

 

これからはスピード練習を中心にやっていこうと思っている私の背中を押してもらえた気がします。というよりも、背中を押して欲しくて改めて本書を読もうと思ったのかもしれませんw

本書はマラソン愛にあふれたマラソンエッセイです。

本書は、スピード練習が重要という主張だけでなく、具体的なトレーニング方法、サブ3.5達成までの著者自身の参加10大会の詳細なデータと分析、そしていくつかのマラソンコラムをおさめています。

 

本書はすべてが著者の個人的な感想です。著者が汗にまみれ、試行錯誤を繰り返しながら感じ取ったもの、つかみとったものを綴った市民ランナーによるマラソンエッセイです。マラソン愛にあふれた著者の文章を読むうちに、なぜか私は走りたいという気持ちになってきました。そしてもしかすると私でもできるのではないかという気持ちにも。

 

私はマラソンはハーフを主戦場にしているのですが、フルにも参戦してみようかと思いはじめています。

 

マラソンの専門家の書いたものとは一味違ったマラソン本をお探しの方、あるいは走るモチベーションが下降気味の方はぜひどうぞ。