読書感想 : 『[超図解]勇気の心理学 アルフレッド・アドラーが1時間でわかる本』

 

『[超図解]勇気の心理学 アルフレッド・アドラーが1時間でわかる本』 中野明 学研プラス (2014/6/24)

自己啓発の源流アドラーの学説が短時間で理解できます。

アドラーという名前は聞いたことがありました。どんなこと言っている人なのかと興味も持っていました。

 

ですが、アドラー本をこれまで読んだことはありませんでした。アドラーの名前の入った本はいずれも自己啓発本という印象で、自己啓発本にあまり興味を惹かれない私はアドラー本を敬遠していたのだと思います。

 

本書は「内容紹介」でアドラーを「自己啓発の源流」としています。私はこの言葉にビビビっときました。アドラーは数限りなく出版されている自己啓発本の総元締めのような人のようです。そうだったのですね!それならアドラーの主張を知れば、自己啓発本に通底する骨格がわかるのではないかと思いました。そしてそれがわかれば、今後も何の迷いもなく自己啓発本を読まずにいられると思ったのですw

 

本書は、アドラーの学説を「1時間」で理解できるまでにギュギュッと凝縮し、図解を用いてわかりやすくその全貌を解説してくれます。アドラーの主張はもちろん、アドラーの人生、後世への影響まで、とてもよくわかりました。私はもうこの1冊でアドラーは十分です。

 

なお、タイトルに「1時間」とありますが、私は1時間20分ほどかかりました。私は読むのは早くはありませんが、遅いとも思っていませんでした。どうやらそれは勘違いで、私は読むのは遅めのようです(^^;;

アドラーの主張の肝は目的論、それはつまり未来志向

本書を読んで、アドラーの主張の肝は徹底した「目的論」にあると私は思いました。目的論は「決定論」と対比されて説明されます。

 

決定論(または原因論)とは、世の中のあらゆる出来事を原因で説明する態度です。この立場では「Aが起こった原因はBにある」のように、何らかの現象が生じた原因を人や物ごとに結びつけます。  これに対して、人がとる行動はその人が持つ目的や目標に従った結果だと考える立場があります。決定論とは考え方に大きな隔たりがあるこのような立場を、目的論と呼びます。

 

ある出来事の説明において、それを原因という点からみるのが決定論、目的との兼ね合いという点からみるのが目的論です。アドラーが目的を重視するのは次のように考えるからです。

 

「もし、この世で何かを作るときに必要な、建材、権限、設備、そして人手があったとしても、目的、すなわち心に目標がないならば、それらに価値はないと思っています。」(「劣等感ものがたり」)

 

アドラーはこうした考え方を人の生き方や性格に適用します。例えばうまくいかなかったとき、それを素質のせいにするのが決定論、誤った目標設定、あるいは誤った素質の用い方のせいにするのが目的論を基礎にした考え方です。

 

さて、その目的ですが、目的は虚構とされます。

 

人はあくまでも自ら選択した固有の目標やライフスタイルを持ちます。これらはいわば虚構、または仮定されたものであるため、再構築は可能です。

 

 

虚構というとマイナスイメージを持たれる言葉ですが、アドラーはそのようには使っていません。目的が虚構であるということに積極的な意味を見出しています。

 

アドラーが言う虚構や仮説を、人生の目標やライフスタイルに置き換えてみてください。設定する目標やライフスタイルによって、人生というカオスを生きる方向が決まります。しかしそれは虚構のものですから、取り替えることが可能です。そしてほんの少し(たとえば角度1度だけでも)方向を変えるだけで、私たちは以前とかけ離れたゴールにたどり着けます。  勇気を持って人生の見方を少しだけ変えてみましょう。そこには劇的な変化が生まれるはずです。

 

虚構である目的は常に変更可能です。ゆえに常により良いものにしていくことができます。アドラーは、目的を良いものにし目的との兼ね合いから自分の行動を見ていく態度をとることが人生をよりよいものにすると考えます。

 

さて、変えられる目的とは、変えられる未来ということです。変えられない過去に拘泥するのは、不適切な結果の原因を過去に詮索する決定論的態度にほかなりません。つまりアドラーは、未来に向けたポジティブな態度こそが人生を豊かにする最大のポイントであると主張します。

未来志向の態度を大切にしていきたいです。

変えられない過去ではなく変えられる未来を見据えてポジティブに生きる。自己啓発の源流アドラーの主張はこのようにまとめられると思います。

 

かなり乱暴ながら、数ある自己啓発本の主張も、概ねこうしたものと考えておおきな間違いはないと推測しますw

 

自己啓発本を読むことは今後もなかなかないとは思いますが、自己啓発の源流アドラーの主張にして自己啓発本全般の骨格である(はずの)未来志向の姿勢は、しっかりと自分のものにしていこうと思います。