読書感想 : 『脳を最高に活かせる人の朝時間』

朝型になりたい、のになれない

私は寝るのは決まって2時前後です。夜型人間です。起きるのは毎日7時前後なので朝型ではないとも言い切れませんが、朝は起きないといけないから身体に鞭打って起きている状態です。いつも眠気との戦いで、爽やかな朝とは無縁です。

 

さて、「早起きは三文の得」という格言を筆頭に、余裕を持って朝の時間を過ごすことを推奨する言葉が巷にはあふれています。

 

私自身も、遠出するときに早起きすると1日が長く感じられ、得した感、充実感に満たされます。そういうときなどに毎日早起きできたらなんてすばらしいのだろうと考えることもあり、早起きを推奨する言葉に触れると心が動かされます。睡眠時間を2時〜7時から2時間早め、12時〜5時にできたらと思うこともしばしばです。

 

ですが、できません。トライしたことはありますが二日続きません。早起きしても夜を迎えると結局夜更かししてしまい、早起きが続かないのです。

 

朝型になりたい、のになれない。こんな状況を脱出するための後押ししてくれる何かが欲しい。ただし、早起きするとこんないいことあるよ、という類の個人的経験に基づく早起き推奨話を聞かされても、私が変われないのはこれまでで実証済み。

 

そんな中目にしたのが脳科学者茂木さんが書いた本書です。経験則ではなく、科学的な知見に裏打ちされた朝のススメのお話を読めば、私も変われるのではないかと思ったのです。

本書のいう「朝時間」は”起きたて時間”なのでは・・・

茂木さんは本書のはじめに次のように述べ「朝時間」の重要性を主張します。

 

人間の脳にも、ゴールデンタイムは存在するのです。  その時間帯とは、脳の働きが効率よく、最も活発に働く「朝目覚めてからの3時間」だと言われています。ビジネスで成功を収めている人、幸せな人生を送っている人の多くは、この脳のゴールデンタイムを上手く活用しています。つまり、脳の状態が最高に良い時間帯の過ごし方次第で、仕事も人生も劇的に変わっていくのです。ただし、「3時間」というのは1つの目安であって、必ずしも明確な時間が決まっているわけではありません。厳密に言うと、 「誰にも邪魔されない時間=家を出るまでの時間=ゴールデンタイム」  と捉えてください。言い換えるならば、「社会に接続するまでの時間」です。

 

 

そして朝時間の上手な使い方について語っていきます。「ドーパミン」「海馬」といった脳科学の専門用語を交えながら展開される議論は、それぞれ個別的には納得させられるところが多く、とても勉強になりました。

 

ですが、肝心の朝のススメという点についてはどうかというと、私は説得されませんでした。

 

本書の議論の骨組みはこうだと思います。

 

①朝時間が脳科学的によい。

だから、

②朝時間をよりよいもにするために、脳科学的によいとされることを朝時間に適用していこう。

 

朝時間がよいのは、起きたてが「脳の働きが効率よく、最も活発に働く」からです。朝自体のよさについてはこれ以上の説明はありません。これを前提とした上で、朝時間をよりよいものにしていくための様々な手法が提案されます。

 

ところで、ゴールデンタイムの定義にあてはめると、それは朝でなくても起きてから仕事までの時間でしたらいつでもあてはまります。仕事柄、朝からお昼ぐらいまでが寝る時間のかたもいらっしゃると思います。そういう人にとっては、朝ではなくお昼からがゴールデンタイムになります。

 

つまり、本書の中身は、

 

①起きたての時間が脳科学的によい。

だから、

②起きたての時間をよりよいものにするために、脳科学的によいとされることを起きたての時間に適用していこう。

 

というようにも言えてしまいます。

 

本書は『脳を最高に活かせる人の朝時間』と銘打ってありますが、『脳を最高に活かせる人の起きたて時間』というほうが実際にあっています。

 

私は起きたて時間に時間的ゆとりをもつことの意義ではなく、ずばり”朝”に早起きして時間的ゆとりを持つことの意義が知りたかった。朝自体のよさを語って欲しかった。

 

苦手な朝に立ち向かい朝型人間へと変身を遂げるための動機付けは強力でなければなりません。朝でなくても起きたてならいつでも同じ効果があると思うと、そのぶん朝に立ち向かう勇気が差し引かれてしまうのです( ;  ; )

私は変われなさそうです。

 大半のかたは朝に起きて仕事に向かう以上、本書が朝の早起きのススメ本と言えるのは間違いありません。また、先にも述べましたが、脳科学に基づいた説明はとても興味深く、それだけでも本書は朝型になりたい人の背中を押すに十分な効果があると思います。

 

朝時間と起きたて時間が同じ効果では朝に向かう勇気がそがれる・・・  このようなことを言っていると、早起きしたくないから屁理屈こねて早起きから逃げてるだけじゃないか、と言われあきれられそうです。

 

ううっ、たしかにそうです... 

 

朝型への転換のハードルが高すぎる私のような人(怠け者、か)は、結局何を読んでも変われないのかもしれません。